今回製作をスタートした新造船の進捗状況を紹介をさせていただきます。
この船は英海軍の戦時型駆逐艦Oクラスの嚮導艦「ONSLOW(オンスロウ)」
です。
ダドリー・ポープ著の「バレンツ海海戦(旧名「北緯73度」)を読
んで、本艦の活躍を知ったのが製作のきっかけです。先のコルベットに続き
、またまたHMSです。
 
英艦は大型有名艦ならまだしも、駆逐艦となるとほとんど資料がなく、タミ
ヤの1/700のプラモデルがあるものの古い型なので細部が?です。
本屋やネットで探しまくりましたが側面図や平面図はどうにかなったものの
、肝心の横載図が入手できず、写真などからの推定で作図しました。ただし、
自分で作図したのは横載図とそれに必要な略図だけで、後は全てパソコンに
取り込んだ画像を拡大して使いました。
 
縮尺は1/72です。
駆逐艦はアスペクト比が大きく、キリのいい1/100にすると全長は1m余
ですが、幅がたった10センチ程しかなく、前後方向から眺めるといかにも小
さいのです。
1/80にするか1/72にするかで悩みましたが、手持ちのコルベットと同じ1/72に
しました。これだと全長1450mm、全幅148mmになります。
本艦はアスペクト比がほぼ10:1ですが、日本の駆逐艦はさらに細長くは
12:1近くあります。可動モデルの場合、縦横比を変えて幅を広くして製作
するケースが多いようですが、私としては好みではありません。
駆逐艦を作るということは、あえて「細長い船を作る」ことと理解しています
 
製作に関しては会員の方達の方が詳しくご存知なので、パソコンを使った資料
収集等を中心にご報告します
 
製作に使った書籍です。左上の洋書は、どうしても見つからなかった
「ONSLOW」の全景の写真が一枚だけ、しかもバレンツ海海戦の3週間前のやつ
があったので、銀座の西山洋書で3500円も出して購入しました。右上の本
は艦船模型の古典、泉江三著「軍艦の模型」(敬礼!)です。右下の文庫本が
本艦製作の発端となりました。
製作に使った書籍です
この写真1枚3500円・・・・
上の写真の直後の映像です。こちらはネットで見つけたので無料
撮影日が42年12月10日とありましたが、バレンツ海海戦は12月31日でした。
ネットで見つけた使えそうな資料を片っ端から集めます。
使えるやつは「PLAN」とか「WEPON」とか仕分けしておきます。
入手した資料のうち、すぐに必要なものはプリントアウトして整理しておきます。
右下のは、英国の艦船モデルメーカーのホワイトエンサインの1/700のOクラス駆逐艦の
エッチングパーツと英国海軍の軍艦色の塗料です。
画像や色はネットからでも拾えるのですが、やっぱし本物ということでネットショップの「フリ
ート・ネット」で購入しました。
右上のカラー写真は、ポーランドのペーパーモデル「MODER|LIK」製の本艦の1/200ペー
パーモデルの作成記録です。
ペーパーモデルは細かい艤装品がパーツに印刷してあるので、とても役に立ちます。
 
探していくと張線の張り方とかポンポン砲の作り方とかもあります。
最近の1/700艦船模型はとても精密です。可動モデルは細かいディテールよりも強度が
要求される(プラモデルのコルベットで懲りてます)ので1/700モデルの精度で丁度良い
省略になりそうです
苦労してでっち上げた横載図(極秘)から、
6mmのシナベニヤでフレームを切り出します。
艦首ブロックです。位置決めが面倒な錨穴は前もって開けておきます。
柔らかい朴を使ったので、傷つきやすい艦首には硬い黒檀を使用しました。
これはあくまでも自艦保護のためで、悪意ある対潜兵器ではありません。
艦尾ブロックです。
舵の穴は部材を切り出したときに開けておきます。

勢作その2

英海軍・戦時型駆逐艦Oクラス誘導艦「ONSLOW(オンスロウ)」の製作

ラジコン技術2010年1月号に掲載

■ 製作その1 ■ 製作その2
■ 製作その3  ■ 製作その4
■ 製作その5    完成
上田会員の自作船の紹介
■ 製作その1 ■ 製作その2
■ 製作その3  ■ 製作その4
■ 製作その5    完成
製作その1