キット ドイツレベル製の1/72プラモデル
カナダ海軍フラワー級コルベット「HMCSスノーベリー」
全 長 850o
全 幅 140o
動 力 イーグル製コミュレースモーター
推進器 キャプテン製35o
プロポ フタバ2chアンプ仕様
このキットは20年ほど前にマッチボックスから「ブルーベリー」という艦名で発売され、
その後レベルに移り何度か再販されているので記憶にある方も多いと思います。
コルベットというのはドイツのUボートに悩まされた英海軍が開発した対潜護衛艦です。
大量生産するため造艦技術の無い中小の造船所でも建造できるよう、当時イギリスでさかんに造られた
捕鯨船をベースにしています。
フラワー級だけでも大戦中に200隻ほど造られ、カナダや米国にも供与されました。
本艦はカナダ海軍所属なのでHMCSです。
水量940t、全長60m余りの小さな船で小回りが利き、潜航中の潜水艦攻撃に適しています。
「駆逐艦キーリング」(C.S.フォレスター著・ハヤカワ文庫NV)に動きが鈍い駆逐艦の艦長が対潜攻撃
中のコルベットを見てうらやましがるシーンがありました。
ただし、砲装や装甲が貧弱なので浮上中のUボート相手には苦戦したようです。
日本の駆潜艇に近い船ですが、こんな船で船団を護衛して大西洋に乗り出して行ったイギリス人の度胸
は大したものです。
他にもたくさんのHPがあり、模型の写真も山ほど入手できます。
このキットの船体は前後左右4分割という信じられないようなパーツ割で、箱を開けると鯖の切り身の
デカイやつが4枚転がっていて一瞬途方に暮れてしまいます。
可動モデルにするにはあまりに強度不足なので、内側からガラスクロスを2〜5層貼りこんでいます。
FRPでポピュラーなポリエステル樹脂はプラモデルのスチロール樹脂を侵すため、積層用のエポキ
シを使用したので高価な補強になってしまいました。
マッチボックスはおもちゃ的なごついパーツ構成が特徴なのですが、さすがにこのスケールだと細か
いパーツが多く、可動モデルだと壊れるに決まっているのでかなりはしょって作りました。
それでも遊んでいるうちにバーツが折れたり無くなったりしています
塗装は船底と甲板の一部を除いて筆塗りしましたが、吹付けに比べ塗料、シンナーとも予想よりはるか
に少量ですみました。船の場合は筆ムラも味になるようです。
この船を作る人はウェザリングに腕を振るうようで、私も汚しに念を入れてみましたが、モデルの雰囲
気向上と同時に塗装を気楽にする効果があります。
大西洋用の寒々とした迷彩塗装がいい感じです。
北大西洋用の寒々とした迷彩塗装がいい感じです。
動力はあまり大きな船ではないので380を直結で回してみたところ、高回転で船体と共振し、水に浮
かべれば消えるのかもしれませんが回転も高過ぎるようなので、いつか作るかもしれない大型船のため
に買っておいたコミュレースモーターに換装しました。
コミュレースとはモーターのコミューター(ブラシと接触する部分)を研磨して真円を出す一種の小型旋
盤で、超高回転のハイチューンモーターを使うRCレーシングカーの世界では普通に使われているよう
です。
このモーターはその駆動用に改造された540系の低回転・高トルクモーターです。
ノーマル540の約14000rpmに対し7000rpmしか回転が上らないので船には適していると思い
ます。
価格は税込みで2940円(確か)と手頃です。
結果は大正解で、この船体にはオーバーパワーですが低回転が安定しているので微速航行が楽にできま
す。スケールスピードで遊んでいれば1300mah のバッテリーが40分ほど持ち、モーターの発熱は
皆無です。
7日の日曜日は沢山出ていた貸ボートから逃げたり会員の方の船との接触を避けるために高速回避を多
用したので航走時間は20分位に低下しました。
全速では艦首が上りプレーニング状態になってしまいますが、その上り方でバッテリーの残量がチェッ
クできるのがうれしいおまけです。
バラストは普通は鉛を使うところですが、船を沈めるだけにしては結構高価なので躊躇していたら、
職場近くのゴミ捨て場に真鍮棒の端材が沢山捨ててあるのを発見。
真鍮は鉄よりも比重が高く重りとして使えるので、早速持ち帰って適当な長さに切ってエポキシで固定
しました。
風呂場で喫水チェックを入念にしたつもりでしたが、ややフロントヘビーになってしまいました。
余談ですが、
「駆逐艦キーリング」は40年ほど前に出版協同社から「ソナー感度あり」という題名で出版されてい
ます。当時、私はその本を友人から借りたまま無くしてしまい、絶版になっていため本屋を探しても見
つからず出版社にも在庫が無いということでした。
以来、古書店でこの本を探すのがちょっとしたライフワークとなっていましたが、数年前に古書のネッ
トでようやく見つけ早速購入しました。ところが直後に神保町の文華堂でも発見し、あっという間に2
冊所持することになり数十年ぶりに友人に借りを返すことができました。もっとも本はまだ我家にあり
ます。
この本は小説ですが、著者はホーンブロワーシリーズでおなじみの海戦物に強い作家で、船団護衛艦の
対潜戦闘が極めてリアルに書かれています。この分野に興味がある方にはお勧めです。
コルベットの写真をTシャツにプリント
して満足した上田会員
スケールスピードで航行中。船の色が地味なので曇りに見えますが、水面の輝きで天気が良いのがわかります
このような船は開口部をどうするかが
厄介なところです。
復元力が大きいとローリングのピッチが
早くなり実感を損ねるので、真鍮棒のバ
ラストはなるべく広い範囲に積みました。
イーグル製のコミュレースモーター。
外観は過激ですが、55Tなので低回転
・高トルクの穏やかな性格です。
ラダーはキットのままですが、よく効き
ます。本当は爆雷投下口上部に蓋がつ
きますが、すぐに取れてしまいそうなの
で付けていません。細かい突起部品は
ほとんど省略しています。
コルベットのサイトからダウンロードしたイラストでTシャツを作り、一人で舞い上がっています。主砲の絵も同じようにしてステッカーを作って貼り付けました。
お見事・・・
船体が4分割のキットです
強度的問題ないのかな・・・
偽装が細かく又艦橋の色づけも
なかなか難しいです。